Greeting教授挨拶
2025年4月より、日本医科大学消化器内科学(日本医科大学消化器・肝臓内科)、大学院教授を拝命することになりました厚川正則でございます。日本医科大学消化器内科学は昭和40年に常岡健二教授に始まり、小林正文教授、坂本長逸教授、岩切勝彦教授に引き継がれた歴史ある教室であり、日本医科大学の4つの消化器内科(付属病院、千葉北総病院、多摩永山病院、武蔵小杉病院)を教室員約80名で運営しております。
日本医科大学消化器内科学は、日常遭遇するあらゆる消化器疾患から、特定機能病院(付属病院)としての専門的な高度先進医療を行う診療科であります。患者さんとそのご家族の立場に立った心のこもった医療を理念とし、複数の専門医、指導医を有する各診療グループ(食道、胃・十二指腸、小腸・大腸、肝臓・胆嚢・膵臓)が個々に消化器外科、放射線科、病理部と密に連携をとり患者さんに最良最善の医療を提供しております。月曜日から土曜日まで毎日約150名の外来の患者さん、そして常時80-100名の入院患者さんを診療しております。さらに、当院の内視鏡センターには常勤医を配置しており、緊急治療が必要な患者さんにも常に迅速な対応ができる体制を整えております。そのため、当院は23区内における吐下血患者さんの最終受け入れ機関に指定されています。また、夜間や休日を問わず、患者さんを断らない医療を心がけております。
現在、私たちは、新しい診断技術や治療法を患者さんにより分かりやすく伝えるとともに、患者さんがご自身の病気をより深く理解できるよう、市民公開講座を定期的に開催しています。毎回、多くの患者さんや周辺地域の住民の方々にご参加いただいております。
また、このような患者さん本位の診療にとどまらず、私たちは消化器・肝臓内科医の育成にも最大限の力を注いでいます。臨床面においては、「総合力のある消化器内科医の育成」を理念とし、充実した大学院カリキュラムや専攻医プログラム(各科重点コース:消化器内科コース)を整備しています。専攻医コースの2年間では、付属病院において消化器の一般診療に加え、上部・下部消化管内視鏡検査およびその止血術、大腸ポリープ切除術、腹部超音波検査の技術を修得することが可能です。付属病院での2年間のうち6か月間は、内視鏡技術の習得を目的として内視鏡センターに専属し、内視鏡技術の習得のためのプログラムを用意しています。
3年目は日本医科大学の分院(千葉北総病院(600床)、多摩永山病院(400床)、武蔵小杉病院(370床))を中心として消化器内科疾患全般の研修を行い、全ての入局者が消化器内科系の全ての疾患、検査を修得できる体制となっておりますので、総合内科専門医、消化器専門医、内視鏡専門医など将来内科医・消化器内科医に必要な資格取得も可能です。

研究活動に関しても、研究領域は消化管から肝胆膵分野まで多数の領域があり、具体的には、食道運動機能、食道胃疾患、小腸疾患、大腸疾患、肝疾患、胆膵疾患、内視鏡治療などの複数のグループの指導医の元、最先端の研究成果を国内外の学会で発表し、多くの論文を執筆しています。若手の研究者は、それぞれの興味をもった分野での学位取得が可能です。
最後に、私たち日本医科大学消化器内科学スタッフ一同は、患者さんとそのご家族、御紹介いただく先生方、医学部学生・大学院学生・研修医・後期研修医の皆様の期待に応えるべく、気持ちも新たにこれからも力いっぱい努力をしていく所存でございます。
日本医科大学大学院医学研究科
消化器内科学 大学院教授
厚川 正則