研修カリキュラム
1年目の最初の4ヶ月は、消化器・肝臓内科の病棟業務を中心に研修し、4ヶ月終わったところで、1~2ヶ月ずつ他の科をまわり、たりない症例を集めるなど行います。他の科の症例が全部集め終わり次第、残りはすべて消化器・肝臓内科で勉強することが可能です。その間に、半年間の内視鏡センターに専従するなど消化器のトレーニングを行います。3年目は連携施設で1年間研修を行います。連携施設は付属4病院の他に、博慈会記念病院、多摩北部医療センター、沖縄の県立北部病院があり、専攻医3年間のうちおよそ2/3程度を消化器内科疾患について研修をすることになります。
消化器・肝臓内科専門研修
(卒後6年目〜)
専攻医が終わると6年目で内科専門医をとることになります。その後、消化器病学会や消化器・内視鏡学会などの専門医を取得し、卒後10年目前後で学位を取得することになります。食道グループ、胃グループ、小腸・大腸グループ、肝・胆・膵グループ、内視鏡診断治療グループ、化学療法グループのいずれか興味のあるところに所属し専門的な勉強をします。その後、消化器内科の下記の関連施設に一定期間出向し、診療技術研鑚および消化器内科管理者としての経験を積みます。出向期間は2年程度ですが個人差があります。また希望があれば国内や国外に留学することも可能です。現在は国立がん研究センターに国内留学中の先生や、アメリカやイギリスに海外留学中の先生もいます。
関連施設
専門技術研修
当消化器・肝臓内科では次の診療技術の経験、取得が可能です。主に専攻分野の技術取得が中心となりますが、希望者はその他の分野の技術取得も可能です。
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食道疾患診療部門
食道内圧検査、各種食道狭窄拡張術、内視鏡的粘膜下層剥離術、食道アカラシアに対する経口内視鏡的筋層切除術(POEM)など
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胃十二指腸診療部門
内視鏡的胃粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術、内視鏡的胃ポリープ切除術など
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小腸大腸診療部門
内視鏡的大腸粘膜切除術、内視鏡的軟膜下層剥離術、内視鏡的大腸ポリープ切除術、小腸カプセル内視鏡検査、ダブルバルーン小腸内視鏡検査、ダブルバルーン内視鏡を用いたERCP関連手技、消化管造影検査(注腸検査、小腸造影検査)、イレウス管留置、大腸ステント留置など
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肝胆膵診療部門
腹部超音波検査、内視鏡的胃食道静脈瘤治療(内視鏡的硬化療法、静脈瘤結紮術)、超音波ガイド下肝穿刺術、肝細胞癌局所治療(経皮的エタノール局注、ラジオ波熱凝固療法)、超音波ガイド下胆嚢、胆道ドレナージ(ENBD、プラスティックステント留置、金属ステント留置)内視鏡的胆管膵管造影(ERCP)関連手技、血管造影関連手技(経頚静脈的肝内門脈大循環短絡術、バルーン閉塞下逆行性静脈瘤塞栓術)など
基礎・臨床研究、学位取得
消化器・肝臓内科に入局し、専門分野を決定したら随時はじめることができます。
以下の診療研究グループのうち希望する部署に配属
- 指導者と相談の上研究テーマを選択
- 成果を国内外学会などで報告するとともに論文として英文/和文雑誌に投稿する。
- 所定の要件を満たした段階で本学に申請し、学位(医学博士称号)取得が可能となる。
各種認定医、専門医資格取得
各学会の定める要項を満たした後、取得が可能です。
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本消化管学会胃腸科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本肝臓病学会専門医
- その他
研究グループ紹介
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食道グループ
岩切勝彦教授、川見典之講師
食道アカラシアに対する経口内視鏡的筋層切除術(POEM)、食道運動機能異常が原因となる各種疾患の診断、病態解明、治療Designについて、食道内圧検査を中心に解析
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胃グループ
二神生爾教授、津久井拓教授、植木信江病院講師
H.pylori胃炎および消化性潰瘍の診断と治療(NSAID潰瘍、2次除菌)、出血性消化性潰瘍に対する内科的処置・内視鏡的止血術、胃癌に対する内視鏡的粘膜切除術(とくに内視鏡的粘膜下層剥離術)や化学療法、および機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)など
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小腸大腸グループ
藤森俊二教授、辰口篤志准教授、田中周講師
炎症性腸疾患の診断と治療、大腸腫瘍(早期大腸癌)に対する内視鏡診断と治療、ダブルバルーン小腸鏡検査、小腸カプセル内視鏡を用いた小腸疾患の臨床的、基礎的研究、病理診断学
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肝胆膵グループ
厚川正則准教授、糸川典夫講師
門脈圧亢進症の病体解明、IVR治療、薬物治療が病態に及ぼす影響、免疫担当細胞制御を介するウィルス、腫瘍性疾患治療の基礎的、臨床的解析
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内視鏡診断治療グループ
後藤修准教授
高精度消化器内視鏡診断(超拡大内視鏡、3D内視鏡、AI診断など)の研究・開発、早期消化管癌(食道・胃・大腸など)に対するESD・外科内科合同手術およびPOEMなどの低侵襲内視鏡治療の研究開発、内視鏡検体を用いたtranslational research
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化学療法グループ
河越哲郎准教授
高腫瘍量切除不能大腸癌に有効な化学療法治療戦略の研究、切除不能小腸腺癌の化学療法の研究、進行胃癌の臨床的分類作成の研究、「化学療法未治療の高齢者切除不能進行・再発胃癌に対するCapeOX療法の第II相臨床試験」の多施設共同試験に参加
プログラムの詳細は臨床研修センター「専門研修(後期)」をご参照ください。